聞こえないはずの生活音

昼寝をしようと目を瞑りいい感じにふわぁ〜っ夢の国に落ちかけたその時、聞き覚えのある生活音がした

冷蔵庫の製氷機を開けるガラガラっという音

氷をコップに入れるカランコロンっという音

コップにお茶をそそぐタプッタプッという音

たしかに、はっきりと聞こえるのだが、その時家には私しかいなかった

何が起こっているのか確認したいのだが、何故か瞼が重く中々開かない

それでも必死に目玉をグリグリと動かしていると、やっと3分の1程のみだが開くことができた

するとそこには仕事に行ったはずの彼の姿がうっすらと見える

不思議に思い声をかけたいのだが、何故か声が出ない、体も動かない、目もしっかり開かない

どうすれば良いか分からずパニックになっている私に彼が近づいて来て、何かを伝えようと口を開いた瞬間、体が一気にふわっと軽くなり起き上がることができた

が、そこに彼の姿はなく昼下がりの生ぬるい空気の部屋に私がいるだけだった

 

不思議な体験でした